人気の銭湯・サウナ施設が次々と閉店する背景

多くのメディアがサウナを取り上げ、ここ数年はかつてないほどのサウナブームだと言われています。
しかし、このブームを全国の銭湯やサウナに結びつけるのは早計です。
サウナブームという現象は、一部の層や地域に限定されている面があり、全国的な銭湯やサウナ業界の全体像を反映しているわけではないと言えます。
ブームの背後にはメディアによる取り上げや市場のトレンドが影響しており、伝統的な銭湯文化や地方のサウナ施設が直面する現実とは必ずしも一致しないのです。

実際、人気のあった銭湯やサウナがここ数年で次々と閉店しています。
それにはいくつかの要因が絡み合っているのですが、おもに考えられるのは次のような理由です。

まず、少子高齢化による利用者の減少が大きな要因となっています。
日本では、高齢者の比率が上昇し続けている一方で若年層の人口は減少しています。
要は、銭湯やサウナを利用する人口全体が減少しているのです。
特に銭湯は、以前は地域コミュニティの中心地として機能していましたが、高齢化とともにその役割が減退しています。

次に、競合施設の増加です。
スーパー銭湯やスパ、スポーツクラブのシャワー施設の充実が人々の選択肢を広げ、従来からある銭湯やサウナへの足を遠のかせています。

後継者不足も深刻な問題で、多くの銭湯やサウナは、長年にわたり家族経営が続いてきました。
しかし、若い世代においてはこの事業を継ぐことに消極的な傾向にあります。
これには、銭湯やサウナ経営の厳しさを知っているから、他の職業と比較した際の魅力の低下などが原因と言えるでしょう。

また、新型コロナウイルス感染症の影響も無視できません。
感染拡大による緊急事態宣言や自粛要請は、銭湯やサウナの経営を直撃しました。
人々が外出を控え、集客に大きな打撃を与えたのです。
感染防止対策による運営コストの増加も、経営に追い打ちをかけています。
ここ数年で見られる全国での銭湯やサウナの相次ぐ閉店は、これらの要因が複合的に作用している結果と言えるでしょう。

サウナファンができること

サウナファンとして、サウナ業界を支援し、維持するためにできることはいくつかあります。
まず、サウナや銭湯を定期的に利用することが最も直接的な支援方法です。
利用者が増えれば経営も安定するので、サービスの質の維持や向上にもつながります。

あとは、サウナの魅力をSNS等を通じて積極的に広めることです。
そうやって新しいファンを開拓していきましょう。
地域の小さな銭湯や老舗のサウナ施設に注目を集めることは、地域経済の活性化にも寄与します。

一人の力は小さなものですが、銭湯やサウナで売られている飲み物やグッズを購入することも、一つの支援になるでしょう。
クラウドファンディングなど寄付を通じて支援するのも有効な方法です。