バイアスタイヤとは

バイアスタイヤとは、バイアス構造を使って作られたタイヤのことです。
バイアスは「斜め、偏った」という意味です。

タイヤは主にトレッド、ベルト、カーカスの3層で構成されています。
バイアスタイヤは、タイヤのその3つの層の内、骨組みの役割をする最下層のカーカスという部分が、2方向から斜めに複数重ねて配列されています。
ちょうど着物のように折り重なっている感じです。
主な原材料はナイロンのみなので、比較的安価なものが多い傾向にあります。

バイアスタイヤのメリットは、高荷重に強いということ、とハンドリング性能が向上するということ、低速での走行が快適になることです。
デメリットは、タイヤ全体が堅く柔軟性に欠け、地面からの反動を吸収できなくなるので、高速での運転に最適とは言えないことです。
また、バイアスタイヤはカーカスの量が多くなることで重くなり、その分負荷がかかり、寿命が短くなりがちです。

ラジアルタイヤとは

ラジアルタイヤは、ラジアル構造を用いたタイヤのことで、カーカスが傾かずに縦と横にキレイに配列されているタイヤです。
バイアスタイヤよりも60年もあとに開発されたもので、バイアスタイヤの進化系と思って問題ないでしょう。
バイアスタイヤよりも軽く柔軟であるため、高速で走るときも衝撃を吸収し、快適な乗り心地が手に入ります。

しかし、低速で走るときや凹凸の激しい道を走るときにはハンドリングが上手くいかないことが多く、オフロードや重い荷物を運ぶ専用のバイクに適したタイヤとは言えないでしょう。
また、バイアスタイヤよりも値段が張るので、コストパフォーマンスの面では劣る場合があります。

長い目で見たらラジアルタイヤの方がコストパフォーマンスが高い可能性も

値段だけみると、ラジアルタイヤよりもバイアスタイヤの方が、値段が高くつきます。
そのため「自分は移動手段としてバイクを使っているだけなので、乗り心地とかは特に気にしていない。とにかく安いバイアスタイヤを使っている」という人も多々います。
しかしバイアスタイヤとラジアルタイヤでは寿命が違い、ラジアルタイヤの方が長くもちます。
そのため、長い期間日常的に乗るようであれば、結果的に長持ちするラジアルを選んだほうが、長期的なコストパフォーマンスは高いのです。

また、すり減ったタイヤのまま走行を続けると、ブレーキの利きが悪くなったり、カーブで地面を捉えることができなくなったりといった、重要な事故につながる不具合が生じます。
一時的に経済的な損をするように思えても、長い目で見たときのコストパフォーマンスと、自身の安全を考えて、多少無理してでもラジアルタイヤをつけるという人がほとんどです。